歯周病は全身疾患と
密接に関係している!? periodontics and systemic diseases
歯周病は歯を失う病気であり、お口の中だけに問題が起こるものだというのが、一般的な認識であったと思います。しかし、近年の研究では、全身疾患とも密接な関係があることが明らかになりました。歯周病が慢性化すると、歯周病菌は毒素を排出するようになります。その毒素が歯肉の毛細血管から体内を巡り、身体の各所に悪影響を及ぼしているのです。例えば、糖尿病は歯周病と関係がある全身疾患の代表といわれています。歯周病の炎症によって生じた毒素には、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの機能を阻害する作用があります。つまり、歯周病治療を行うことで、糖尿病の治療も捗るというわけです。
また、妊娠中の方は女性ホルモンの影響で歯周病にかかりやすく、特に注意が必要です。毒素の影響から早産や低体重児のリスクが高くなるため、妊活の段階から歯周病の予防や治療を意識していただければと思います。歯周病菌が出す毒素は、脳梗塞や心筋梗塞、骨粗鬆症の原因にもなっており、間接的に命に関わる病気にもなりかねません。ご自身のためにも、ご家族のためにも、歯周病の治療と予防は必須であると考えております。
Lifestyles 生活習慣の見直しも大切です
栄養バランスのとれた
食事を心がける歯周病は歯周病菌による感染症であるため、免疫力が高い方ほど予防しやすい傾向があります。
歯周病菌に負けない身体をつくるために、栄養バランスの取れた食事を心がけてください。抗酸化作用のあるビタミンCや、血行促進効果があるビタミンEを含む食べ物を摂取することで免疫力を高められるでしょう。過度な飲酒は
歯周病を悪化させるビタミンCはアルコールの分解を助ける働きがあります。そのため、アルコールを大量に摂取しているとビタミンCの消費も早くなり、免疫力の低下を招きます。歯肉の健康を維持するためには、過度な飲酒は控えましょう。
喫煙は歯肉の
免疫力の低下を招くタバコはたった1本吸うだけで、25mg~100mgものビタミンCが破壊されます。つまり、タバコを2本吸っただけで1日に必要なビタミンCは失われてしまうのです。歯周病を予防したい方、あるいは治療中の方は、禁煙することが望ましいでしょう。
疲労とストレスを
溜めないことが重要免疫力は疲れやストレスによっても低下してしまいます。十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることで、疲労とストレスを溜めないことを心がけるようにしてください。