歯周病は歯を失う
リスクが
最も高い病気 diseases with high risk of tooth loss
初期の歯周病は痛みなどの目立った症状が現れないことから、治療の必要性がご理解いただけない傾向があります。しかし実際には、歯を支えている骨を溶かしてしまい、歯を失う原因にもなる怖い病気です。
さらに、一度歯周病にかかってしまうと、自然治癒はいたしません。
歯周組織の再生治療が必要となるため、費用や期間がかかります。最終的には抜歯する可能性もあるなど、歯を長く使い続けるためには、しっかりと予防と治療を施すことが大切な病気です。
Symptoms 歯周病になると、こんな症状が現れます
歯茎が赤く腫れている
細菌感染によって歯肉に炎症が起こると、歯茎が赤く腫れてきます。
症状が悪化すると、熟れすぎたトマトのようにグズグズになって、歯を支えることができなくなります。
歯茎から出血がある
歯茎に歯肉炎が引き起こされていると、初期段階では歯磨きをした際に出血をすることがあります。重症化すると、歯肉から膿が出てくるようになります。
歯が長くなった気がする
歯茎の炎症が悪化すると、歯の根を覆う歯根膜や歯を支えている骨が溶け出し、歯肉が下がってきてしまいます。それにより、歯が露出している面積が増えて、歯自体が長くなったように見えてきます。
冷たいものがしみる
歯茎が下がってくると、健康な状態では歯茎に覆われていた歯根部が露出します。
歯根部はエナメル質に覆われていないため、温度変化などの刺激に対して敏感であり、特に冷たいものがしみやすい傾向があります。
歯がぐらぐらする
歯周病が悪化すると歯茎が下がり、歯を支えている骨（歯槽骨）も溶けてしまいます。歯を支える骨の面積が減る結果、指で押したり、物を噛んだりした際に歯がぐらぐら揺れるようになります。
口臭が強い
歯周病の進行により歯肉の炎症部分が化膿し、口臭が強くなっていきます。
また、歯周ポケットが深くなると、内部に食べかすや歯垢が溜まり、悪臭のもとになるケースもあります。
Structure 歯周組織の構造
歯周組織とは、文字通り歯の周りにあって、歯を支えている組織のことです。
- 歯肉
歯肉は歯茎とも呼ばれています。歯槽骨を覆っている、最も表にある柔らかい組織です。歯肉炎や歯周病などの症状が、最初に現れる部分でもあります。
- 歯根膜
歯の根の表面にあるセメント質を覆っている、柔らかい組織です。歯の根と歯槽骨の間にあり、食べ物を噛んだり、歯を食いしばったりする際に、歯と骨にかかる衝撃を緩和するクッションの役割を果たしています。
- セメント質
歯の根の表面を覆っている硬組織です。
セメント質と歯根膜が付着することにより、歯と歯槽骨が結合する助けとなっています。 - 歯槽骨
歯を支えている顎の骨の一部です。歯槽とは歯の根がはまり込む顎の骨の穴のことをいいます。歯周病で歯槽骨が溶けてしまうことによって、歯周病のメジャーな症状である“歯がぐらぐらする”症状が現れます。
Progress 歯周病の進行と主な症状
- Progress
歯肉炎
歯と歯茎が接している部分に歯石が付着し、歯肉炎が起こります。
歯石が接している歯肉が丸みを帯びて腫れが起こり、溝ができるため、さらに歯垢が溜まりやすくなります。歯肉炎が起こっている部分の歯肉は、赤く変色します。 - Progress
軽度歯周炎
歯肉炎が進行していくと、強く噛むことでまれに痛みが生じるようになってきます。また、歯磨き中に出血する場合もあります。この段階で適切な治療を行うことができれば、健全な歯肉の状態に戻すことが可能です。
- Progress
中等度歯周炎
歯肉炎が悪化して、歯肉だけでなく歯根膜や歯槽骨にまで悪影響を及ぼしている状態です。歯肉が腫れる、歯肉が下がってくる、歯が染みるといった症状が現れてきます。症状が進行すると、痛みで硬いものが噛みにくい、口臭がしてくるといった症状が出てきます。
- Progress
重度歯周炎
炎症が歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまい、支えている骨がわずかしか残ってない状態です。歯肉が熟れきったトマトのように柔らかくなり、歯周ポケットから膿が出てきます。歯周外科治療によって治療ができない場合には、抜歯を選択する可能性が高くなります。
